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Zero-gravity手術

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Zero-gravity surgery ‘a success’
A team of French doctors say they have carried out a successful operation on a human under “weightless conditions in an adapted aircraft. (27 September 2006, 14:32 GMT 15:32 UK)
飛行機で作られた無重力状態でのヒトの手術に成功した、とフランス人医師団は語った.

これは日本のTVニュースでも報道されていたので目にした人もいるかもしれない.最初に聞いたときは、無重力でないとできないような特殊な手術だったのだろうか、と思ったがそれは勘違いだった.将来、宇宙ステーションで働く人が病気になって緊急な手術が必要になった時を想定して試験的に行われたものらしい.

The trial is being seen as a first step to performing surgery in space. The doctors removed a benign tumour from the arm of a volunteer as their plane made a series of swoops to mimic a reduced-gravity environment.
この試みは宇宙での外科的手術の第一歩となる.医師らは飛行機の中で周期的にやってくる擬似的な無重力環境でボランティアから良性の腫瘍を切除した.

The medics and patient were strapped down for the procedure which was done inside a hygienic plastic tent. Specially designed instruments were fitted with magnets to attach them to the metal operating table.
手術は医師らと患者がベルトで縛り付けられた状態で衛生的なプラスチックテントの中で行われた.器具は金属の手術台に磁石で固定されていた.

なるほど無重力だから何もしないとメスやらハサミやらがふわふわと漂ってしまうのだ.ではメスを体に入れたときにどうしても出てしまう血液はどうするのだろう.液体だって水滴になって宙にただよってしまうに違いない.残念ながらこの記事には触れられていなかった.
The operation took no more than 11 minutes, with 31 zero gravity sequences lasting 22 seconds each.
手術は22秒間の無重力が31回繰り返された中で11分ほどで終了した.

つまり普通の飛行機が上下に波型に飛ぶわけである.落ちている22秒間に作業して、また上昇して、次の22秒間でまた・・・.かなり気持ち悪そうだ.ボランティアも医師らも事前にたっぷりと宇宙飛行士が訓練に使うようなマシーンで鍛えたらしい.
The next phase of the programme will be to carry out an operation using a robot controlled from the ground by satellite. This experiment should take place within a year, Mr martin explained.
次のステップは人工衛星を使って地上から操作できるロボットが手術を行えるかどうかだ.この実験は1年以内には行われるという.

まあオールマイティーな医者がいつも宇宙に駐在しているとは限らないからこういう技術も必要だろう.それにしてもテクノロジーというのはまさに日進月歩なのだ.

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benign tumor : 良性腫瘍
swoop : 急襲する
hygienic : 衛生的な
parabolic : 放物線の
by twotwothree | 2006-10-03 23:03 | science


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